Copyrights 2012 Hiroyuki Noritake

Essay

Vol.15

半年ぶりのParis。前回は佐渡さんを訪ねての一泊二日の、まぁ観光旅行だったけれど今回はわけが違う。やるべきことが待っている・・・。

「空港に着いたら電話をください。」
との佐渡さんのメールに従い、公衆電話から再三コールしてみるも繋がらず。「もはやこれまでか?」しょっぱなから暗雲がたちこめる。・・・だいたいこの僕がおフランスでオーケストラと共演なんて、そもそも何かの間違いなんじゃないの?

夢なら覚めないで欲しいなシュビドゥヴァァ・・・。

前回はメトロの切符の買い方すらわからずに、いきなり路頭に迷ったものだが、そこは二回目。「とりあえず、お宅へ向かってみよう!」

路線図によると、三回乗換えで佐渡家の最寄の駅に着けるはず。キャスターの壊れてしまったスーツケースを引きずり、ドゴール空港から花の都パリを目指した。(なんでTAXIに乗らなかった?僕ってそんなに節約家?いやいや、電車好き!)

お宅へたどり着いた頃にはもうすっかり夜になってしまってボンソワ~ル。うわぁ~、ブローニュの森に面した、なぁ~んてステキ~なマンション!

だけどエレヴェーターの場所がわからない。セキュリティのためかロビーは真っ暗で、どこかのスイッチを押せば照明が点くのだろうけど、それがヒトんちのインターホンだったりしたら大変だ。

なんとか階段を探り当て上りはじめるも三階で挫折。この暗闇を七階まで手探りで上りきるのは不可能に思えた。というか、ドラキュラが出てきそうで急に怖くなってきたので、焦ってマンションの外へ飛び出る。

冷静さを取り戻し、「SADO」の表示のあるボタンを見つけ、押してみた。
「ハ~ィ、いらっしゃ~い!!」
明るい奥様の声!
「則竹裕之、ただいま日本より到着いたしました!!」

これから一週間、僕の居候生活が始まる。お世話になります!それから・・・夢じゃなくてよかったピエ~ル。明日は朝からリハーサル。今夜は早く眠るのだ・・・。

Peace,