Copyrights 2012 Hiroyuki Noritake

Essay

Vol.38 / 2004.7.9

PINK BONGOツアーも終盤にさしかかった名古屋公演は「キャバレロ・クラブ」なるお店。開場時刻ギリギリに到着した我々一行はリハーサルもそこそこに本番に突入。この日の演奏は大変思い出深いものとなる。

決して広いといえない店内は、オーナーのエスプリが隅々まで行き届いていて、40年代Parisのキャッフェ~イを彷彿させる、徹底したアールヌーヴォー調。秀逸なのはバス・ルームで、恐らくは愛知県内において最も気分良く用を足せる密室であろう!と想像する。

お客さんも超のつく満員ぶり。素晴らしいお膳立てのもと、PINK BONGOの妖しい玉手箱は、なお一層トレビア~ンに打ち広げられたのでありました。

これが3/27の出来事だから・・おっと。話を急がねば!

その後4月に入って古川兄弟の淡路島合宿レコーディング。

いやぁ、本当に幸せな三日間だった。高級温泉観光ホテル内の一角がスタジオという、あり得ないような好環境の中で、大好き~っ!な、はっつあん(古川・兄)達と昼夜、アルバム作りに没頭できるのだから・・。

さすがに録音器材やスペースの面では、都内のスッチューディオに比べるべくもないけれど、僕達の音楽に求める「愛」はそんなモノなどモノともしないのです。名作が生まれる必須条件・・・(それがバンドの場合は特に)一も二もなく「愛」なのではないでしょうか?

秋頃発売の予定らしいので、是非聴いてみていただきたいと思います。

やがて僕はAkikoさんのBlue Noteツアーに参加。持ち歌に対する彼女のビジョンは超一流カメラマンのようにピントがキリリとしていてレヴェルが高い。プロとしては当然の事だけれど、それを深く理解して表現するには、たった一日のリハーサルは僕には短く、困窮を極めた。

ピアノのクリヤ・マコトさん以外は初共演のメンバー・・翌日からはもう本番。まぁ、そんなときほど本番の爆発力っ!・・否、集中力もギュゥワァ~っと、じわり高まって、本番毎にバンドの結束度と宇宙度は、その臨界点へと上り詰めていったのでありました。

で、それと相重なるように大橋純子さんのBlue Noteツアーの準備にも突入。僕以外は各パート、大御所メンバーによる布陣で、可憐で繊細、且つパワフルでソウルフルな純子さんの魅力を余す所なく引き出さんがため、一生懸命頑張る。同時に僕たちも大フィーチャーしていただき、(打ち上げも含めて)それはそれは賑やかなツアーとなった。

それにしても純子さん・・素敵でした。あの小さな体の、何処にあのエネルギーが宿っているのだろう?そして春の海のような優しさ・・。心から尊敬できるアーティストだと思った。

心から尊敬できるアーティストといえば!?そう。神保彰さんとの新ユニット、Synchronized D.N.A.の初ステージもこの頃。

4月30日、場所は恵比寿のガーデンプレイス。本番当日に初めて自分達の本番用の楽器で音合わせ・・・緊張と興奮と、休み無く続く連日の仕事疲れが頂点に達しようとしていた・・・もはや待ったなし!!本番直前の舞台袖・・僕は文字通り、倒れそうになっていました。

Peace,