Copyrights 2012 Hiroyuki Noritake

Essay

Vol.41 / 2004.10.10

長い夏が終わった。スケジュール帳を眺めながら前号からのその後を、かいつまんで振り返ってみよう。

6月はクリヤマコトさんとのライヴが印象深く心に残っている。世界に誇るクラシックSAX界の雄、平野氏との初コラボレートでもあったこの日は奇想天外、奇天烈な展開をみせた。

氏のペンによる現代音楽的作品は非常に興味深いもので、普段眠っていると思われる部分の感覚を、たたき起こされるようだった。またそんな彼と平気で戯れるクリヤさんは本当に「開かれた人物」である。自分も思想、技術、共にそうありたいものである。

7月に入ると先ず、熱海温泉老舗旅館「大野屋」の御曹司にして日本ジャズピアノ界の重鎮、にして「ルパン三世」の音楽で有名な大野雄二さんのレコーディング。

内容はやはりルパンの劇中サウンドトラック。地球上の男子なら皆、狂喜、共感、憧れるであろうあのキャラクター・・猛スピードでの長時間録音ではあったが、とても楽しかった。

後のTV放映を見て初めて、アレンジの妙に納得。大野さんはきっと、ルパンにご自身を投影されているに違いない。そう思わせるほど、絵と音が一体化していた。

その後はKORENOSの京都レコーディング。ノリ=スト・コンビにとっては二泊三日の超特急作業となったが、そこはもう、日本を何周もしている「たたき上げ」ライブ・バンド。三日目には余った時間でジャケ写と唄入れ(?)までこなし、須藤さんはゴスペラーズの待つ沖縄へ、僕は東京へ。残された是方さんは更にもう三日間のギター・ダビング。

かくして出来上がったアルバム「Asian Street Style」も間もなく発売日を迎えます。Happy Birthday!

後半は各種素晴らしいSessionなどを挟みながら、イベント「情熱大陸」のリハーサルに突入。僕は葉加瀬太郎バンドの一員として、佐藤竹善さん、今井美樹さん、鈴木雅之さんらのサポートをさせていただいた。

皆さんそれぞれに個性的で魅力的な音楽性の持ち主であることは勿論、その土台にはやはり、人格と呼ぶに相応しい素晴らしい人間性がありました。意外だったのは(ごめんなすゎ~い!)、鈴木さんの、僕らバンドへの比類なき丁寧な接し方と、竹善さんの無防備さ(* 唄っているとき以外の)。

またこのイベント全体の、ホスト役であり主宰である葉加瀬氏の求心力とスター性は・・・おや?誰かに似ている。そう!あの佐渡裕さんに相通ずるものがある。ご本人にそのことを伝えると、なんと氏は佐渡さんの高校の後輩なのだそう。佐渡ismは脈々と受け継がれているのだとか。僕にもその血、少し分けて!と真剣に思うところである。

大阪、東京の本番は、その他豪華なゲスト陣と台風(?)に彩られて、たいそう賑やかなステージであったが、僕にとって特に圧巻だったのは、小曽根真さんのソロ・ピアノ。短い出番のなかに、喜怒哀楽の全てが超高度に、しかも誰にでも伝わる形で集約されていた。

プレハブ造の楽屋では、出番を控えたアーティストに「練習は禁止やで~!!」と和みのジョークをとばす大らかさ。僕にもその血、分けて・・!?

そして8月。カルロス菅野さん率いる熱帯ジャム・セッションや、斉藤ノブさんとの徳島阿波踊りイベントなど、タイトルどおりの熱気ムンムンなライヴが続く。

本田雅人氏主宰のビッグ・バンド「B.B.Station」で、「山野ビッグ・バンド・コンテスト」にゲスト出演。会場裏の駐車場は、各大学、全国からやってきたチャーター・バスでごった返していた。夏の甲子園さながらである。

我が神戸大学は出場日がずれていたので聴けなかったけれど、どの大学も猛特訓した成果か、溌剌とした素晴らしい演奏だ。危うし、「B.B.Station」!!

審査員でもある本田氏、そこはカリスマ・SAXパワー全開。他、メンバーもプロ魂炸裂。最後には「ドドドド・ドドドド・スチャッツ・チャッチャ!」のメガリスまで高らかに吼えて、一気に場の空気を本田色に染めてしまう。

そういえば、いつしかのエッセイでも取り上げさせていただいた青山学院(当時)のコンマス鍬田くん。立派に成長されて今回は、我々の一員として素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

若い世代にも、着実に新しいジャズ・プレイヤー達が育っている事実を、目の当たりにできた一日でした。

そして27日、遂に40歳になった。

さっき家に届いていたドラマガをみて驚いた。長年サマー・ドラム・キャンプを主催してきた、つのだひろさんの特集ページ。

僕もパール時代に講師として、幾度となくお世話になったのだけど、その頃の写真が掲載されている。17、8年前のものと思われるその見出しに「若き日の則竹・・・」。

あの~、お言葉ですが、僕まだまだ若いです。

やっと自分に合ったスティックの持ち方が分かってきたかな・・そんな感じです。これからどんなドラマーに成長していくのか。ど~か、温け~目で見守ってやっておくんなせ~!でございます。

Peace,